腰部、或いは腰を中心に背中やお尻に現れる痛み、重さ、牽引感を総称して腰背痛と呼ぶ。
その症状が足にまで広がると腰腿と呼ばれるようになる。
これらの原因には主に
太陽風寒、風寒湿痺、腎虚、瘀血などが挙げられる。
どの原因で、どんな症状が現るのか、見てゆきたいと思う。
太陽風寒によるもの
太陽とは背中を流れる経絡の事。ここに風寒の邪が入り込む事で発生する。
特徴としては
急性である、患部の発熱を伴う、悪寒がする
冷気に当てられて突然発生するイメージだ。
これを放置しておくと次の風寒湿痺に移行する。
風寒湿痺によるもの
こちらは風寒の邪に湿邪が加わったものであり、気血の流れが阻まれる事で発生する。
緩やかに痛みが発生し、悪寒や発熱を伴わない。
更に、風、寒、湿、どの邪の勢いが強いかによって特徴が変化し
風邪が強いと痛む場所がころころ変わる
湿邪が強いと重たい痛みが現れる
寒邪が強いと重たい痛みに加え、温めると楽になり、冷やすと悪化する
この型が長引くと気血不足に陥り、慢性化する。
腎虚によるもの
腰は腎と密接な関係がある為に腎が虚すと腰痛が現れる。
原因としては老化、生活の不摂生、働きすぎなどによって腎が虚すことが挙げられる。
この腰痛は更に2つのタイプに分類でき、腎の陽の部分、陰の部分、どちらが虚すかによって特徴が異なる。
陽が虚すと
冷やすと悪化し温めると楽になる、四肢が冷える、下痢(酷いと明け方に必ず下す)、おしっこの回数が増えるなどの特徴が現れる
逆に陰が虚すと
手足顔の火照り、寝汗、喉が渇きやすくなるなどの特徴が現れる。
瘀血によるもの
身体を捻った時などに突如発生するいわゆるギックリ腰タイプ。中医学では閃腰腰痛という。
腰部の腫れ、強烈な痛み、これらは経脈の気が鬱滞する事で発生する。
躓いたり打撲を負うと瘀血が生じて青紫色になったり圧痛が現れたり、動く事が困難になる。
伊澤