2014/4/7
私はふっと思い立った時『養生訓(貝原益軒)』を
よく読むことがあります。
ちょうど、開いたページに目がとまった内容が
『心の養生と身体の養生』についてのことでした。
一部、ご紹介します。
養生の術、まづ心法をよくつゝしみ守らざれば、行はれがたし。
心を静かにしてさはがしからず、いかりをおさえ慾をすくなくして、
つねに楽しんでうれへず。是養生の術にて、心を守る道なり。
心法を守らざれば、養生の術行はれず。
故に心を養ひ身を養ふの工夫二なし、一術なり。
(以下 訳)
養生の術は、まず心法をよく慎んで守らなければ行われないものだ。
心を静かにして落ち着け、怒りをおさえて欲を少なくし、
いつも楽しんで心配をしない。
これが養生の術であって、心を守る道でもある。
心法を守らなければ養生の術は行われないものだ。
それゆえに、心を養い身体を養う工夫は別なことではなく、
一つの術である。
(養生訓 講談者学術文庫 伊藤友信訳)
昨今のご時世、大事な視点だと思います。
マスコミに踊らされてやみくもに不安がるのではなく、
心を落ち着かせ、やるべきことに十分な配慮を持ちつつ、粛々と行動する、ということではないでしょうか。